保健と看護を統合したケアリングを追求する
看護は人々の健康上の問題を解決するための支援活動です。その活動には人間尊重の思想や高度なサイエンスならびにアートともいえる本質が求められます。研究においても、看護実践方法を探求するのみでなく、その根底に〈その人らしく生きることの意味〉〈ケアの本質〉〈社会とのかかわり〉を問い続ける姿勢が必要となります。
修士課程においては、医療福祉の理念を根底においた看護ケア・提供システムに関する教育や研究を推進し、実践の改善や変革ができる高度専門職業人の育成を目指しています。
カリキュラムは基礎理論研究分野と4つの研究分野(保健看護学研究分野、高度実践看護研究分野(がん看護学)、助産学研究分野、看護管理学研究分野)から構成されています。
博士後期課程においては、医療福祉の理念を根底にケアの探求と開発を目標にした先駆的研究を目指します。カリキュラムは「発達期看護学研究」と「包括的地域看護学研究」に特化して、これらの領域における課題に対して、看護学の視点で分析・統合ができ、看護ケア・提供システムの開発研究が自立してできる人材を育成します。
修士課程において、看護研究の基礎となる看護倫理、量的・質的研究、および倫理に関する知識を深め、基礎理論研究分野の科目で研究的視点を培います。
保健看護学研究分野は、人が健やかで充実した人生を全うするために必要な成長発達課題達成への援助や、健康レベルに応じた看護を追求し、理論と実践を統合する領域です。基礎看護学、母性看護学、小児看護学、成人看護学、高齢者看護学、在宅看護学、精神看護学、公衆衛生看護学など、それぞれの看護学を研究する分野です。
人のライフサイクルにそった健康支援とQOLの向上を目指した研究を行うと共に、時代に即したケアシステムを追求します。
保健看護学専攻修士課程の中で助産師国家試験受験を目指すコースです。助産学の専門的知識と技術を習得し、さらに助産学領域の研究を行います。修士課程修了時には修士(保健看護学)の学位と助産師国家試験受験資格を取得できます。
がん看護専門看護師認定試験受験を目指すコースです。キュアとケアを統合し、がん患者とその家族のQOL向上を目指した高度ながん看護実践力、適切な倫理的判断力、研究的視点を培います。現象に対する理解を深め創意工夫し、がん看護実践における開発的役割がとれる看護専門職者を目指します。
急性・重症患者看護専門看護師認定審査の受験を目指すコースです。生命の危機状態にある患者を対象とする医療現場は、医学的介入(キュア)に偏りがちです。しかしながら、人と生活と環境に働きかけるケアがキュアと統合されるからこそ救われる命があります。高度なクリティカルケア看護実践を探究し、ケアの質向上に貢献できる人材を育成します。
保健・医療・福祉等の施設における看護管理が多様化する中で、看護管理者としてのリーダーシップ、経営力、現任教育、判断力、コミュニケーションなどの管理能力が求められています。看護を取り巻く社会情勢、関係法規、施設経営、看護職者の人事管理などに対応できる看護管理能力を培います。看護管理学に関する科目を履修することにより、認定看護管理者認定審査受験資格を取得することができます。
博士後期課程においては、医療福祉の理念を根底にしたケアの探求と開発を目標にした先駆的研究を目指します。カリキュラムは「発達期看護学研究」と「包括的地域看護学研究」と研究で構成されています。これらの研究分野における課題に対して、看護学的視点で分析・統合ができ、看護ケア・提供システムの開発研究ができる人材を育成します。
発達期看護学研究では、人が誕生する以前の時期から、乳幼児、思春期、成熟期を経て老年期に至るまでの、あらゆるライフステージにおける健康レベルに対応した看護を追求し、看護の実践から教育へ、教育から看護の実践へとフィードバックできる知見を追求します。
基礎看護学、ウィメンズヘルス看護学、小児看護学、成人看護学、高齢者看護学の領域における看護の研究開発を目指しています。
包括的地域看護学研究では、人の発育・発達に焦点を当てた研究に加え、人を取り巻く環境やシステムを多角的に追求し、精神看護学、在宅看護学、公衆衛生看護学の領域における看護の研究開発を目指しています。
研究支援科目では、医療福祉学特殊講義および、看護統計学特殊講義を開講し、看護学研究の充実を図っています。