リハビリテーション学専攻(修士課程・博士後期課程) Master's Program in Rehabilitation・Doctoral Program in Rehabilitation

理学療法学と作業療法学を統合化した
総合的な教育・研究の推進

リハビリテーション医学の領域は歴史が浅いだけに研究のテーマはそこら中に転がっているとみてよい。述べればいくつでもありますが、三つばかり拾ってみると、以下の様になります。

  • 1.iatrophysicに関するもの:「iatro」は「医療の」と言う意味でiatro-physic は医療の物理学となる。理由は判らないが、医療の世界ではiatro-chemic (医療の化学)が異常に発達している。そこで運動学を基本学とする理学療法関係者は物理学の心を持っており、そこに付け込む広い空間がある。
  • 2.作業療法学は言うなれば一部はアートの世界にあしを踏み込むことになる。いろいろ関係者の苦労から自然科学とアートを結び着ける努力がなされているが、未だにスッキリとしない分野である。種々ある手法も改善の余地が充分にあり、しかも面白い。
  • 3.一般生理学に障害の要素が中々取り入れられない。「病気」は当然入っているが、「障害」は一つの病気でも種々様々であり、病態として考えるか、障害を前面に出して考えるかで、生理学は大きく変るであろう。そこに「リハビリテーションの生理学」が構成され「運動学」と肩を並べて、この分野での必須科目の一つに成長しつつある。

さていろいろ述べましたが、一緒に挑戦してみませんか?

確かな知識に裏付けられた多様なリハビリテーション医療が提供できる人材の養成

高齢者の人口比の増大や医療の進歩による重症者の生命予後の改善等により、今後ますます重度でしかも重複する障がいをもつ障がい者の増加が予測されます。また、リハビリテーション医療の場が、医療領域中心から福祉・保健領域、さらに在宅へと多様な場へ拡がっており、これに伴い今後ますます理学療法士・作業療法士に独自の判断が要求される場面が増加すると予測されます。これらの社会的要請に応えるために、確かな知識に裏づけされた多様なリハビリテーション医療が提供できる人材を養成します。

研究や専門職業人養成教育のできる人材の養成

日本では理学療法・作業療法の理論的枠組みがまだ十分に整備されていないのが現状です。質の高いリハビリテーション医療が社会から要求されている現状とのギャップを解決するために、科学的方法論の基礎が身につくような授業科目を配し、生涯を通じて研鑽を続ける学究的能力の涵養につとめ、研究が可能な人材を養成します。また、社会的に質の高いリハビリテーション医療が要求されている現状から、今後理学療法士・作業療法士を養成する4年制大学の増加が予想されますが、現在は教育者の不足が指摘されています。このため、学位取得を含め、専門職業人養成教育のできる人材を養成します。