リハビリテーションに関する幅広い分野の課題についてとり上げ、議論を通じて深く理解し考察する。解剖学、生理学などの基礎科学から作業療法や理学療法などの臨床領域まで広い分野にわたって講述する。また、リハビリテーションは、保健・医療・福祉にかかわる総合領域であり、幅広い知識と判断が求められる。基礎分野から保健・医療・福祉分野まで、リハビリテーションに関連する重要な課題について内・外の最新の文献を深く理解し考察することを通して、リハビリテーションの本来の姿、将来のあるべき方向性について考察を深める。
リハビリテーション医療分野の高度専門職業人には、臨床と研究を繋ぎ、根拠に基づいた医療を提供することが求められる。臨床では、主に患者の目標を設定する段階、問題点を分析し仮説を立案する段階、適切な治療法を選択する段階でエビデンスが用いられる。本講義ではまず、これらのプロセスを円滑に行うために必要な情報(エビデンス)収集能力の向上を図る。次に、得られた情報に対して批判的吟味を行い、情報を取捨選択する能力を培う。その上で、臨床力や研究力の基盤となる論理的な思考力を実践的な情報活用と思考の繰り返しにより磨く。
リハビリテーションは医療にかかわる以前に人間の宗教的・社会的・教育的な面で歴史的に深くかかわってきた。現在では職業的リハビリテーションも加わり、それらが複雑に絡み合っている。文献を講読することによってこれらの理解を深め、リハビリテーションの理念を探求する。