医学・医療における放射線利用の物理学的基礎を修得します。講義では、物理学の基礎を基盤として、放射線の定義や種類、量子論や原子物理学の基礎を学んだ後、X線の発生や放射線と物質との相互作用、X線の減弱特性について解説して臨床科目の基礎となる部分をしっかり身につけます。
放射線画像検査における被検者の接遇およびX線撮影技術の詳細を学習します。X線撮影技術で必要となる解剖学を合わせて身に付けるとともに、被検者の接遇と注意事項、医療事故の防止、感染症対策、撮影の体位と方向、撮影条件の決定と変更など、基礎的事項を学んだのち、頭部、脊椎及び胸郭等の画像検査について、X線撮影技術を修得します。
X線撮影、X線CT、MRI、超音波検査法等の各種画像診断法の特性とその相違点を学びます。さらに、種々の画像診断に必要な人体の立体的な解剖を系統的に理解し、人体の各臓器の形態的・機能的異常の診断の概要とそれぞれの画像診断法の適応を学習します。各画像診断法の特徴を学ぶとともに臨床での実際の利用について理解します。
核医学の基礎知識として、核医学検査に必要な放射線物理学、統計学及び放射線計測学を学びます。さらに、放射性医薬品や核医学機器についての知識を深めるだけでなく、核医学検査技術学で不可欠な画像再構成法や各種処理フィルタなどについて学習します。
放射線治療の基本的な考え方、放射線治療の歴史的背景、放射線治療の原理、放射線治療用語、放射線治療機器の種類・構造を理解します。また、放射線計測学を基礎とした放射線治療に必要な放射線測定について習得し、放射線治療計画の方法、照射時の手技、用途について学習します。
デジタル画像ファイルの基礎、コンピュータによる医用画像処理の基礎理論、医用画像の電子保存、医用画像の通信システム、医療情報システムの構築、コンピュータ支援診断の概要等について学び、画像を中心とした医療情報システムの基礎を理解します。
放射線防護・安全管理は診療放射線技師にとって重要な職務の一つであり、正確な知識と技術を持たなければなりません。放射線の医学・医療における利用に際して、個人及び公衆の放射線障害の防止のため、放射線防護の基本的考え方、防護に必要な設備とその基準、環境の放射線管理と計測法、個人の管理と被曝線量計測法、廃棄物処理等について学習します。