健康体育学科 カリキュラム Department of Health and Sports Science

どうやればいつまでも健康が維持・増進できるのか、を適切に指導できるアドバイザーの存在は、今後の社会に欠かせません。健康体育学科では健康学・医学・体育学を3本柱に、健康についてのスペシャリストを育てます。
「健康」を専門的に指導できる人材は学校、病院を始め、あちこちで必要とされています。本学科は保健体育教諭一種免許状、健康運動指導士などの免許・資格取得に向けたカリキュラムで、多彩な活躍を支援します。

特別支援学校教諭一種免許状「カリキュラム構成の骨子と特徴」

1.健康体育学科の教育理念に根差し、体力づくりと健康教育の行える特別支援学校教諭を養成します。

  1. 生徒一人一人のニーズにあった運動指導が実践できる能力を身につけます。
  2. 長期的なプランニングの立場に立って、より健康になるための生涯学習につながる自立支援をサポートする教育を実現できるレベルにまで高められる能力を身につけます。

2.バランスの取れたカリキュラム構成と担当教員を配置しています。

本学科の特色ある内容として、特別支援教育領域に関する肢体不自由、病弱の科目では、既存の授業内容に加えて健康体育学的視点を導入したシラバスを編成しました。また、先に挙げた2領域以外の領域(知的・視覚・聴覚及び情緒・言語・重複・LD等)の科目において、すべての障害種に対応できるシラバス内容としました。

  1. 今回の特別支援教育のカリキュラム構成は、15科目(27単位)に絞って用意しました。慢性疾患や小児外科疾患、公衆衛生学的側面からの生活指導なども網羅できるシラバス編成にしています。
  2. 保健体育科教諭を基礎資格とする特別学校教諭として運動指導、健康教育のできる教員養成を行うために、健康体育学科教員をオムニバス形式で配置しました。
  3. 医療福祉大学内で特別支援に精通した他学科の教員を配置しました。
    ・小児精神神経科医師、理学療法士、自閉症療育の専門家の資格のある教員等々
  4. 特別支援学校(病弱支援学校、肢体不自由支援学校、知的障害支援学校等々)での実務経験のある教員・非常勤講師を数多く配置して実践能力を高められるようにしました。

主要履修科目

運動学実技A~I [1・2・3年次]

陸上競技、水泳、体操および器械運動、武道(柔道・剣道)、球技(バレー・バスケット・サッカー)、ダンス、野外活動、スキーなど、主に学校教育現場で実施されている運動種目を取りあげ、その基礎的・応用的技能および指導法について修得します。

スポーツ心理学 [2年次]

私たちのこころは運動やスポーツから影響を受けたり、逆に影響を与えたりします。本講義では「こころと運動・スポーツの関係」を理解し、スポーツメンタルトレーニングのさまざまな技法を学ぶことによって、受講生自身や保健体育教員・スポーツ指導者になった際の生徒や選手へのメンタルサポートのための技法や指導法を修得します。

運動生理学 [2年次]

身体運動にともなう人体機能の変化と機序について学習するとともに、健康体力づくりのための運動、栄養、休養の必要性と相互の関連性を理解し、将来、職域での運動指導の基礎能力を養います。

臨床スポーツ医学概論 [2年次]

スポーツを行うことによる外傷・障害は避けることができません。医療現場とは別個の立場で、その予防、初期の処置、復帰へのアスレチック・リハビリテーションの作成など、正しい知識を身につけるため基礎と実践を合わせて講義します。

保健体育科教育法A・B [3年次]

「保健体育科教育の概念と目標」「保健科の教育法」「体育科の教育法」といったテーマを中心に、中学・高等学校の教科における保健体育の教育法について講義します。

運動処方演習実技A・B [3年次]

生活習慣病の予防・改善を目的とした運動プログラムを作成するために必要な知識や、そのプログラムをもとに指導する際の技能を習得します。また、高齢者に必要な体力や測定法を理解し、介護予防に向けた運動プログラムを考えます。

養護活動論 [3年次]

養護教諭の専門性に基づいた職務内容と役割ついて理解し、学校においてヘルスプロモーションを推進するために必要な知識、技術、方法を習得し、学校現場で汎用できる実践的能力の育成を目指す科目です。養護活動の5つの職務の展開方法について具体的に学びます。また、子どもの現代的健康課題(不登校、性の問題行動などの10課題)に関する事例検討を通して養護教諭に必要な資質能力を培います。

病弱教育総論[4年次]

病弱児教育の歴史をふまえ、今日の病弱児教育の対象・場の特徴を整理し、健康障害(病弱)児の教育的ニーズと学校教育の意義を理解する。そのうえで、健康障害(病弱)児の病理・生理・心理特性に配慮した教育内容・教育方法・教育課程について概説する。

救急救助法 [1年次]

救急の現場、運動指導の現場、学校現場で実施可能な応急手当(心肺蘇生法、AED操作、止血法、搬送法、その他の応急手当)を学びながら医療福祉人としての素地を養います。修了者には「上級救命講習修了証」が交付されます。救急救命士コース希望者は必修です。

症候論 [2年次]

症候とは、傷病者が病院受診をしたり、救急車の要請をしたりする原因となる主要な訴えであり、救急救命士が疾病者に接触した時に最初に得る情報の一つです。その症候の理解は救急現場活動を迅速かつ適切に実施して、疾病者の救命につなげるうえで非常に重要です。この症候論の講義を通して、救急現場で遭遇する頻度の高い症候について、その病態・鑑別疾患・救急対応について習得していただきます。

病院実習 [3年次]

近隣の二次・三次救急医療機関において実習を行います。それぞれの医療機関の救急外来にて、救急車搬送される救急患者の受け入れ要領、救命処置、診察や救急検査、治療、緊急手術、回復の過程などを学びます。また、指導医師のもと救急救命処置を体験します。救急患者の症例を実際に見学することで各種救急疾患の理解を深め、救急救命士としてできる応急処置を習得していただきます。病院内における医療安全・感染防止策について実践的に学び、それらを病院前の救急現場でも活用できるように習得していただきます。