作業療法学科 カリキュラム Department of Occupational Therapy

1.コース制について

本学科では、現行のカリキュラムを基盤としつつ、教育内容を二つのコースとして提示する「コース制」を設けています。本制度により、作業療法士がリハビリテーションチームの一員として、理学療法士や言語聴覚士等と協力・連携しながら対象者を支援する専門職であることを分かりやすくお示しします。

2.コースの名称と概要について

身体リハビリテーション作業療法コース 身体リハビリテーション作業療法コース 作業療法士は、理学療法士や言語聴覚士等と協力・連携しながら、一人ひとりに合った支援を行うリハビリテーション専門職です。本コースでは、けがや病気、または発達の特性によって「からだ」の動きや生活に困りごとがある方に対する支援について学びます。食事や着替え、入浴などの日常生活動作の練習に加え、子どもの発達を支える関わりや環境づくりについて理解を深めます。また、住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支援する地域リハビリテーションの視点についても学びます。
精神リハビリテーション作業療法コース 精神リハビリテーション作業療法コース 作業療法士は、医師や看護師、精神保健福祉士等と協力・連携しながら、一人ひとりに合った支援を行うリハビリテーション専門職です。本コースでは、「こころ」の病気により生活に困りごとを抱える方に対して、その人らしい生活を送りやすくするための支援について学びます。対人関係の築き方や生活リズムの整え方、就労や地域活動への参加を支える方法に加え、作業活動を通して心の回復を支える関わりについても学びます。さらに、地域で安心して生活を続けられるよう支える視点についても理解を深めます。
  • 作業療法士国家試験の受験資格は、いずれのコースを選択した場合でも共通して取得可能です。

3.コースの選択について

本学科では、総合的な作業療法教育をすべての学生に提供することを原則としながら、学生の興味や将来の方向性に応じて、以下のとおり段階的な学びを展開します。

1・2年次では、共通の専門基礎分野および作業療法分野の科目を履修しながら、各コースに関連する講義や演習を通じて作業療法の多様性を理解し、自身の関心のある領域を見出します。2年次秋学期に、学生の自由な意思に基づき希望するコースを選択します。

3・4年次では、卒業研究(ゼミ)において、選択したコースに基づく専門的なテーマを探求し、より深い知識と技術を修得します。なお、4年次の臨床実習では、学生の学修状況や進路希望に応じて、コースの変更も可能とします。

4年次の臨床実習においては、学生が選択したコースおよび将来の志望進路を最大限に尊重し、関連する実習施設での経験が得られるよう調整・配慮を行います。これにより、卒業後の円滑なキャリア形成を支援します。

主要履修科目

解剖学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、生理学Ⅰ・Ⅱ [1年次]

作業療法を実施するためには人体の構造や組織の知識が不可欠です。解剖学では、骨・筋・関節の構造や神経系、循環器系、呼吸器系、消化器系、感覚器系などを教授します。生理学では、細胞や神経系、運動器系、感覚器系、循環器系、消化器系などの生理的作用を教授します。

作業療法学概論 [1年次]

作業療法の歴史を踏まえて、リハビリテーションにおける作業療法の位置づけの理解を深め、作業療法の定義や対象、役割を総合的かつ体系的に教授します。また、作業療法の理論をもとに一般的に行われている作業療法の治療展開の解説も行います。

作業療法評価学AⅠ・AⅡ・B、作業療法評価学実習Ⅰ・Ⅱ [2年次]

作業療法では、全人間的評価と専門的評価によって対象者の状態を把握することが必要不可欠です。リハビリテーション医療における作業療法評価の意義などの総論をはじめ、運動機能や生理機能、精神心理機能、日常生活活動能力などの評価法について教授し、検査・測定技法の実習も行います。また、精神科作業療法の評価法、基本的な対象者理解とかかわり方、集団や地域生活の評価も教授します。

基礎作業学、基礎作業学実習Ⅰ [2年次]

作業療法における作業の本質にせまり,作業が人とその健康にどのように関わるかを教授します。また,作業の分析や指導法についての解説も行います。実習では、作業療法で頻回に用いられる手工芸やレクリエーションなどについて、作業技術を講義した後に、実際に体験して技能を学習します。作業工程についての理解を深め、作業を作業療法の治療技術として考察する視点を教授します。

臨床基礎実習AⅠ・AⅡ・B [3年次]

作業療法の基本的体系を体験し、4年次の臨床実習に向けて身体障害に対する作業療法の評価から治療プログラムまでを実施し、一連の作業療法の流れを整理・記録・報告することを目標とした実習を川崎医科大学附属病院で行います。また、学外の精神科病院・施設において、作業療法士の役割を知り、精神障害のある人々との交流を通して、共感力、観察力、評価力を養います。

日常生活活動学、日常生活活動学実習 [3年次]

食事や更衣などの日常生活活動について、その概念や様々な活動の遂行に必要な要素を教授します。さらに、疾患ごとの評価方法や治療方法について基本的な事項を教授します。実習では、様々な障害に合わせた指導方法や介助方法を学習し、日常生活活動場面で用いる福祉用具の適応や住宅改修を含めた生活環境の工夫も教授します。

作業療法臨床実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ [4年次]

学外実習施設において、臨床実習指導者の下で作業療法の対象となる各種疾患の急性期・回復期・維持期の作業療法の見学、評価や治療を体験します。身体的・心理的・社会的状況などの評価の実施、評価結果の分析から総合判断を基に行う作業療法プログラムの作成や実施、効果判定の体験など、作業療法の一連の流れを経験し、臨床推論能力を養います。

卒業研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ [3・4年次]

作業療法を科学的に探究する姿勢と視点を磨き、将来、作業療法分野の研究が実施できることを目標とします。作業療法における研究動機を指導教員とともに考え、生じた疑問に対して研究を計画し解決する過程を学びます。就職後にも常に疑問を持ち、対象者や作業療法の発展に寄与できる力を養います。