Ⅰでは、医療と福祉は、思想的には元来同根のものである。近年、この両分野を連携から一歩進めて融合的に体系化しようとする動きが強まっている。そうした背景を踏まえつつ、医療福祉学を人間学の立場から、また実践科学の立場から市民生活の背景と実状を検討し、その充実にむけて体系的に研究する。さらにⅡでは、医療福祉学の臨床的、実践的な視点から、高齢者問題、児童問題、障害者問題を中心に制度論の立場、また地域福祉、施設福祉の実践の立場から、医療福祉サービスの提供について研究する。とくに、医療福祉学の科学的側面と文化人類学的側面に注目して進める。
Ⅰでは、妊娠・出産から始まるソーシャルワークとケアワークを融合したあらゆる子どもと保護者の支援について、子どものケアと発達支援の観点を中心に総論的に講義する。具体的には、子どものケアと発達支援の意義、子どものケアと発達支援におけるソーシャルワーク・ケアワークの意義、保護者・家族の支援と子どものケアと発達支援の相互作用、病院・児童福祉施設・学校等におけるライフコースに応じた子どものケアと発達支援等について理解を深める。
Ⅱでは、妊娠・出産から始まるソーシャルワークとケアワークを融合したあらゆる子どもと保護者の支援について、ライフコースに応じた子どものケアと発達支援について講義する。子どもと保護者を支援する病院・児童福祉施設・学校等の場における子どものケアと発達支援、保護者・家庭への支援と子ども支援との関係、他の専門機関との連携、現状と課題、ソーシャルワークとケアワークを融合した子どもと保護者の支援モデル等について理解を深める。
指導教員の下で医療福祉学に関わる研究領域のなかから主体的に研究課題を選び、指導教員は、その課題に則した研究計画を立案させ、研究の実施を集中的に助言、指導する場とする。あわせて、博士論文の作成について指導する。また、研究活動や研究発表を通して実践的能力と行動力、さらに、問題解決能力、論理的思考能力およびコミュニケーション能力を修得するとともに博士論文を完成させ、関連学会誌に投稿する準備を行う。