本学では、豊かな「人間性」を養い、高度な専門知識を身につけるために専門基礎分野および専門分野からなるカリキュラムを用意しています。
専門基礎分野における教育内容は、「人体の構造および機能」、「臨床工学に必要な医学的基礎」、「臨床工学に必要な理工学的基礎」および「臨床工学に必要な医療情報技術とシステム工学の基礎」に分けられ、例えば、このうちの「臨床工学に必要な医学的基礎」では、臨床工学に必要な臨床医学の基礎および各種疾患の病態を体系的に学び、チーム医療の一員として、医療の内容を把握し理解する能力を養うことを教育目標としています。
専門分野における教育内容は、「医用生体工学」、「生体機能代行技術学」、「医用安全管理学」、「関連臨床医学」および「臨床実習」に分けられ、例えば、このうちの「生体機能代行技術学」では、人の呼吸・循環・代謝に関わる生命維持管理装置の原理・構造を工学的に理解し、その適性かつ安全な使用法や保守管理に関する実践的知識・技術を修得することを教育目標としています。
いろいろな医療機器、医療設備には電気が使用されています。また、私たちの体も筋肉や神経などさまざまな部分で電気が活躍しています。ここでは物理学で学ぶ電気現象をもとにして電気工学を基礎から学びます。さらに、電気現象を利用した種々の電気機器の原理、仕組みを学びます。
生体電気現象の測定法における特長を理解し、計測に必要な工学的基礎演習を含めて修得します。また、臨床的にも最もよく使用されている心電計・血流計・血圧計等について、病態生理学的背景から計測原理、計測の実際までをデモを交えて講義します。
臨床工学と関わりの深い、呼吸、循環、腎・代謝系の疾患をはじめとして、内科系疾患について幅広く取り上げ、各疾患の概念や病態を理解したうえで、医用工学的方法を含む診断法や治療法について学習します。
治療においては電磁波、熱、超音波、放射線、機械力など種々のエネルギーを生体に作用させて治療が行われています。この講義では、種々のエネルギーにおける生体の作用、エネルギーの生体に対する安全限界、種々の治療機器(電気メス、ペースメーカ、除細動器など)の治療目的や原理などについて学びます。
臨床工学技士と最も関係が深い治療用ME機器である人工呼吸器、体外循環装置、血液浄化装置の原理、操作、および保守点検技術を学びます。その他、生体機能を補助・代替する人工臓器(人工血管、人工心臓、人工水晶体など)について、これらのしくみ、機能、生体との関連を学び、さらに最新の再生医学、移植医療などについても習得します。
医療の現場ではさまざまな医療機器が使用されています。これらを正しく、安全に使用するには医療機器の安全管理が必要となります。この講義では、医療機器の安全基準、機器の性能や点検方法、安全管理の手法などについて学びます。さらに安全を確保するための病院での電気設備や医療ガスの特長やその設備についても学びます。