人々に寄り添い 健康と生活を衛(まも)ります
厚生労働大臣の免許を受け、行政機関、事業所、医療機関等で、人々の健康管理や保健指導を行うことを主な仕事とする看護職の1つです。あらゆる年代・あらゆる健康状態の人々に常に予防の視点で関わります。個人のみならず集団や地域も対象に支援を行います。
保健師になるには、文部科学省・厚生労働省が指定した大学等において所定の課程を修め、保健師国家試験に合格する必要があります。保健師になるには「保健師資格」と「看護師資格」が必要です。
本学(保健看護学部保健看護学科)では、看護師の国家試験受験資格は全員取得し、加えて保健師の受験資格を取得可能です(選抜による定員30名)。
本学保健看護学科は、全国で12番目の私立看護大学として1995年に開設されました。25年以上の歴史をもち、これまで県内外に多くの保健師を輩出しています。本学では、保健医療福祉を総合的に学び、地域住民の健康と生活を支援する能力を養います。
本学は、保健師の実務経験豊富な教員が公衆衛生看護教育を担っています。また、卒業生や現場保健師と、大学行事や授業・実習を通じて交流し、ネットワークを広げています。これらの教育活動をとおして実践能力の高い保健師の養成を目指しています。
1~2年次では全ての看護職者に必要な公衆衛生看護学関連科目を履修します。公衆衛生看護の理念等を概観し、さまざまな場での公衆衛生看護の役割、保健師活動を看護の基礎知識として修得できるカリキュラムが特徴です。1年次から保健医療福祉について学ぶ機会があることから、多様化する看護の対象者やその背景を理解することに繋がります。
3~4年次では保健師を選択した学生に、中山間地域の学外演習、行政機関・事業所・隣接する川崎医科大学附属病院健康診断センター等での実習を行います。保健師に必要な幅広い知識・技術を保健医療福祉の現場で活躍する保健師から直接学ぶことが可能です。
保健師は、看護職者の中でも特に病気の予防を専門的に行う職種です。個人の健康上の問題と人々の集団の健康上の問題を連動させながら、人々が住みやすい社会の実現を目指し、地域全体の健康上の課題の改善・解決のために活動します。保健師の活動は、繊細かつダイナミックであり、長期間にわたり対象の人々を支援していくことも多く、大変やりがいのある仕事です。
1~2年次は、看護職として必要な公衆衛生に関する科目を全員履修します。3年次からは、保健師を選択した学生(定員30名)を対象に、保健師の家庭訪問や健康相談等の技術を学ぶ「公衆衛生看護活動Ⅰ」や事業所で働く人の健康管理を学ぶ「産業看護学」を履修します。4年次では、地域をアセスメントし、地域に必要な施策を検討する授業があります。個別支援から集団・地域支援まで幅広い対象に向けた看護を学びます。
「公衆衛生看護学実習Ⅰ・Ⅱ」では、5週間、保健所や市町村等に出向き保健師の実習を行います。赤ちゃんの家庭訪問や3歳児健康診査、介護予防のための健康教育などを企画・実施します。また、感染症、難病、人々の生命や健康を脅かす健康危機への対応や、保健医療福祉に関する政策形成についても学びます。
「統合看護学実習」では、4年間の総まとめとして、事業所や学校の実習もあり、さらに専門性を広げていきます。
保健師の多くは、地方公務員として、都道府県・保健所・市町村の行政機関に所属し、保健部門や福祉部門等で働いています。医療機関や健診機関、事業所、学校で働く保健師もいます。近年その活躍の場は拡大しており、自ら起業する保健師や海外で予防活動に従事する保健師もいます。
また、大学院修了後に教員や研究者になる道もあります。