健康体育学科 学科ニュースNews

2024/04/22 健康体育学科の研究グループが国際学術誌で年間優秀論文賞を受賞

医療技術学部健康体育学科 助教 渡邉知央先生の研究グループ(小栁講師ら)の研究成果が、2024年3月24日に日本農芸化学会の2023年B.B.B.論文賞を受賞しました。B.B.B.論文賞は、日本農芸化学会英文誌Bioscience, Biotechnology, and Biochemistryに掲載されたRegular Paper, Communicationより、毎年優秀な論文に授与されるものです。
今回の受賞対象となった論文は、2023年B.B.B.論文賞10編のうちの1編となりました。

本論文では、近年増え続けるうつ病などの不安障害の予防に対する運動の効果として、腸内細菌叢が関与する可能性を発表しました。セロトニンは、脳内伝達物質の1つであり、精神を安定させる働きがあります。体内で作られるセロトニンの大部分は、腸内細菌が作ることも知られていますが、中にはセロトニンを食べてしまう腸内細菌も存在します。運動を行うことで、このセロトニンを食べてしまう腸内細菌を減らす可能性を発見しました。今後は、運動のうつ病治療効果としての可能性やどのくらい運動したら効果があるかなど、人々の健康に貢献する運動の様々な可能性が期待されます。

受賞論文:Antidepressant properties of voluntary exercise mediated by gut microbiota
著者:Chihiro Watanabe, Eri Oyanagi, Takafumi Aoki, Hiroki Hamada, Masato Kawashima, Takashi Yamagata, Michael J Kremenik, Hiromi Yano.
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
DOI: 10.1093/bbb/zbad115