診療情報とITを駆使して問題解決する「医療施設のシンクタンク」
日本病院会の定義では「医療機関における患者の様々な診療情報を中心に人の健康(health)に関する情報を国際統計分類等に基づいて収集・管理し、データベースを抽出・加工・分析し、様々なニーズに適した情報を提供する専門職種です。」とされています。医療現場で作成された診療記録等を安全に管理し、そこから抽出した情報を活用・提供することで、医療の安全や質向上に貢献することができる診療情報の専門家です。
診療情報管理士は、日本病院会通信教育および日本病院会認定専門学校、大学にて統一されたカリキュラムで養成されており、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)および医療研修推進財団の共同で認定された資格です。大学では認定科目を修得すると受験資格が得られ、3年次で認定試験に合格した後、大学卒業と同時に認定されます。認定試験は合格率の全国平均が50%と難しい試験ですが、本学では徹底した試験対策を実施するため、毎年100%近い高い合格率を誇っています。
学生は川崎医科大学附属病院で診療情報管理士の実際の業務を3週間体験し、診療情報管理士に対する具体的なイメージや、病院における役割の重要性を学ぶことができます。また、大学では教員から個々の理解度に合わせた手厚い指導が受けられるため、2018年度3年次現役受験生の合格率は83.3%(全国平均52.4%)、2017年度100%でした。
本学が診療情報管理士の認定校になったのは1995年、大学では日本初の認定校となりました。本学の1期生から認定校の学生として受験し、それから25年を越え、約800名の診療情報管理士を輩出してきました。
診療情報管理士教育として伝統のある本学では、日本の診療情報管理士を牽引してきた教員の指導が受けられるほか、医療現場で働く現役の診療情報管理士の方が学ぶ生涯教育も数多く実施されます。そこで、全国の医療現場で活躍されている方、特に本学の卒業生から直接仕事の話を聞くこともできます。
このように、本学では、学ぶことと将来医療現場に就職するための素晴らしい環境とネットワークがそろっています。
診療情報管理士は医療制度や診療情報管理、情報処理等の知識に加え、専門的な医学・医療の知識を持っています。診療情報を管理・活用することで、安心安全な医療の提供に貢献できます。また、データ分析業務を通して病院経営の円滑化に関わっています。
蓄積したデータを、患者さんや医師、メディカルスタッフが必要とする情報として提供し喜んでもらえた時や、自分が登録・コーディングした情報が全国集計などに活かされ、日本の医療の質向上に貢献していると感じた時は、うれしかったです。
医学医療分野、情報分野どちらも日々進化・発展し続けている分野なので、新しい情報を収集する力、それを業務に活かすことができる力など、生涯学び続けることができる人材が求められています。また、周囲から信頼を得るために医師やメディカルスタッフとコミュニケーションが取れることも重要です。