2026/03/23 春学期ガイダンスが開催されました

3月も終盤に入り,春休みで閑散としていた大学構内に,次第に賑やかさが戻ってきます。
3月23日,臨床心理学科では令和8年度に向けた春学期ガイダンスが行われました。

始めに進藤学科長よりご挨拶があり,新学期に向けて生活習慣を整えるようアドバイスがなされました。
また,教員の異動や転学科・編入学生の紹介など,学科にとっての嬉しいニュースも共有されました。

 


その後,各教員より授業や資格,大学生活に関する説明が行われました。
短い時間で沢山の情報が提供されましたが,集中して説明に耳を傾ける学生の皆さんは,既にしっかり新学期に向けてスタンバイされている様子でした。

記事冒頭の写真は,同日の構内の桜の木です。まだまだ蕾の0分咲きですが,この花が満開になる頃には,新入生の入学とともに,いよいよ新学期が始まります。

教職員コラム 心理学って役に立つんじゃ~分散学習~ 山根 嵩史

 私の専門である教育心理学では,教育・学習に関係する様々な要因について研究が行われています。研究対象は学習者や指導者,学習方法,学習環境など多岐にわたりますが,例えば「効果的な勉強法とはどんなものか」,「勉強ができる人になるにはどうすればよいか」といった問いに答えるのも教育心理学の役割です。なんだか,いかにも役に立ちそうですよね。
 そんな教育心理学の知見の1つをご紹介します。以下の2つの勉強方法のうち,より効果がある(成績が伸びる)のはどちらだと思いますか?

正解は…Aです。同じ時間や回数勉強をする場合,まとめて勉強するよりも適度に間隔を空けて勉強した方が,記憶に残りやすいと言われています。これは分散学習,あるいは学習の分散効果と呼ばれ,単純な身体動作の習得から,単語の記憶のような学校での勉強に近い状況まで,幅広く効果が確認されています。

 この分散学習について,もう一つ面白いことが分かっています。それは,「学習者は分散学習が効果的であることにあまり気づいていない」ということです。それどころか,「集中学習の方が効果的だと思っている」というデータもあります(Zechmeister & Shaughnessy, 1980)。教育場面に限らず,自分の考えや思い込みが実態とズレている,ということは多々あります。このようなズレを発見し,その仕組みを解明することが,心理学の面白さなのではないかと思っています。

山根 嵩史

引用文献:Zechmeister, E. B., & Shaughnessy, J. J. (1980). When you know that you know and when you think that you know but you don’t. Bulletin of the Psychonomic Society, 15(1), 41-44.

臨床心理学科・臨床心理学専攻の卒業式・学位記授与式

 3月20日,臨床心理学科・臨床心理学専攻の卒業式・学位記授与式が挙行されました。

 総合体育館における全体での式典の厳粛な雰囲気とは異なり,温かな雰囲気の中で臨床心理学科・臨床心理学専攻の卒業式並びに学位記授与式が執り行われました。卒業式では,卒業証書の授与,学長賞,学科長賞等の授与が行われた後,進藤学科長から卒業生・修了生の皆さん,並びに,ご家族の皆さんを包み込むような温かい祝辞があり,再会する日を楽しみにしていますとのメッセージが送られました。

 卒業証書授与式終了後,引き続き,臨床心理学専攻の学位記授与式が執り行われました。水子専攻主任からは,名著を例に挙げながら,普段はあまり意識することのない事柄に大切なことが含まれていること,そしてそれを意識することでより豊かな時間を送ることができるとのメッセージが送られました。

 学位記授与式終了後,臨床心理学科教員による卒業生・修了生へのメッセージがスライドショー形式で披露されました。これは,臨床心理学科の個々の教員が1枚のスライドに卒業生・修了生へのメッセージを取りまとめたものです。嵐が2020年にリリースした楽曲である“カイト”に乗せてスライドがゆっくりと映写されると,教員からのメッセージに目頭を熱くする方もおられました。

 「君の夢よ 叶えと願う」――。“カイト”のこの一節は,卒業生・修了生を送り出す私たちの思いでもあります。卒業生・修了生のますますのご活躍を祈念しています。

2025年度大学院専攻交流会が行われました!

2026年3月14日(土)午前、本学の川﨑祐宣記念講堂多目的ホールにて、2025年度の「大学院専攻交流会」が開催されました。

臨床心理学専攻からは、このたび、本専攻修士課程を修了される上原昇馬さん(指導教員:谷原弘之教授、指導教員補佐:山根嵩史講師)が、「学生アルバイトにおけるワーク・エンゲイジメントが心理的well-beingに与える影響」と題して、専攻代表として発表されました。

当日は、これまでの研究成果を堂々と発表され、その頼もしい姿がとても印象的でした。発表後の質疑応答では、フロアから多くの質問が寄せられ、研究内容への関心の高さがうかがえました。

上原さんは、この春から研究者としてさらなる高みを目指し、次なるステージへと歩みを進められます。益々のご活躍を、専攻一同心より応援しています!!

教職員コラム 心理学って役に立つんじゃ 〜 ストレスとストレスマネジメント 〜 福岡 欣治

 先日届いた愛育活動の情報誌を見たら、“今日からできるストレス対処法”というコーナーがあって、そのひとつめが「話す・相談する」でした。これって、社会心理学(私自身が担当している本学の科目でいえば「対人コミュニケーション論」、臨床心理学科の科目でいえば「社会・集団・家族心理学」)の中の「自己開示」の話だな〜、と思い出します。


 ちょうど近々に、働く人のメンタルヘルスに関する大阪商工会議所主催の検定試験である「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」の団体特別試験を実施するのですが、公式テキストに載っている事柄、たとえば「4種類のソーシャルサポート」(#)の話は、健康心理学(現在の本学での授業名は「健康・医療心理学B」)で話している内容だな〜、と思い出します。

 私たちがふだん目にする情報のあちこちに、授業で扱っている事柄があって、社会の中で使われているんだな〜、と楽しくなります。このコラムを見てくださっているみなさんにも、ぜひ、聴いていただきたいです!

(#)
「情緒的」「情報的」「道具的」「評価的」。それぞれ、励ましや受容、課題解決に役立つ情報の提供、実際の手助け、仕事ぶりや業績などへの適切な評価にあたります。元々の出典は、以下の文献です。
House, J. S. (1981). Work stress and social support. Addison-Wesley

福岡 欣治

教職員コラム 心理学って役に立つんじゃ 〜 人はどうして交通違反を犯すのか? 〜 水子 学

 2026年4月1日から,自動車やバイクと同じように,16歳以上の自転車運転者による交通違反に対して反則金を納めるよう通告する「交通反則通告制度」(いわゆる青切符)が適用されます。「ながらスマホ」は,1万2000円,信号無視は6000円,傘さし・イヤホン使用は5000円など,100種類以上の行為が対象になります。普段,私は自転車で通勤していますが,夜,無灯火でスマホを操作しながら運転している自転車と衝突しそうになり,ヒヤッとしたことがあります。自分自身と周囲の人を守るために,交通規則をきちんと理解・遵守し,誰も傷つくことのないよう配慮ある運転を心掛けたいものですね。

 ところで,大なり小なりの危険が伴うにもかかわらず,人はどうして交通違反を犯すのでしょうか。自分勝手だから?モラルが低いから?まあ,それも理由のひとつかもしれませんね。でも,心理学の研究によって,その人のモラルの問題だけでなく,複数の心理的要因が組み合わさって,違反行為が発生することが明らかにされています。代表的な要因として,「自分は大丈夫」「自分には悪いことは起きない」という根拠のない妙な自信が挙げられます。心理学では,このように,自分が不幸な出来事に見舞われる可能性を過小に低く見積もり,反対に好ましい出来事が起こる可能性を過大評価する傾向のことを,楽観性バイアス(optimism bias)と呼んでいます。このバイアスがあるおかげで,私たちは「なんとかなる」と,前向きに生きていくことができるのですが,その一方で,信号無視や飲酒運転などの無謀な行為におよんでしまうのです。楽観性バイアスという心の働きは,私たちを守ってくれると同時に,危険にさらしてしまうという,相反する2つの役割を担っているのですね。心とは本当に不思議なものです。

水子 学

教職員コラム 心理学って役に立つんじゃ 〜 メンタルヘルス 〜 谷原 弘之

 働く人のメンタルヘルスを研究してきました。メンタルヘルスは「心の健康」と訳され、心理学を通じ、健康で長く働き続けることに役立てています。

 例えば、学校や仕事に行くと人間関係のストレスが発生し、時には疲れることがあると思います。家に帰り、推し活をすると元気が回復し、次の日もがんばろうと思えるのではないでしょうか。これがストレス対処法で、コーピングと言います。

 現代社会ではストレスを完全に排除することは難しいため、瞬間的に自分を守る“ストレスコーピング”を使ったり、信頼できる人に相談にのってもらい応援してもらう等、様々な心理学的手段をもつことが、心の健康を維持するカギになります。

 

谷原 弘之

2026年1月24日(土)「くらしき健康プロジェクト(イオンdeくら★けん)」に出展しました!

こんにちは、臨床心理学科です!
先日、イオン倉敷で開催されたイベントに出展しました。

テーマは、「早ね・早起き・朝ごはん★こころもからだもストレスフリーに」
自分自身のココロを整えるワークを行い、その内容を小さな「豆本」に仕立てるワークショップです。最後に書き込むのは、自分への約束「おやすみ宣言」。

今回のイベントを支えてくれたのは、頼もしい学生サポーターのみんなです!
予想以上の盛況ぶりに、現場でテキパキと動いてくれたり、参加者の方との会話を盛り上げてくれたりと、臨機応変な活躍を見せてくれました。

完成した豆本が、皆さんの枕元で穏やかな眠りを守ってくれることを願っています。

2026/01/10 心理実践実習C報告会

 2026年1月10日,修士1年生の学外実習報告会を行いました。

 本報告会は,公認心理師が活躍する5領域(保健医療,福祉,教育,司法・犯罪,産業・労働)の中から,1人がそれぞれ2つの領域の施設に実習に行き,各自が学んだことを報告します。
 学生は,どの領域の施設にも興味をもち,質問や意見交換しながら心理職の職場の理解を深めようとしていました。

教職員コラム 心理学って役に立つんじゃ 〜 臨床と基礎研究 〜 中村 有里

 私の専門はうつ病や強迫症などに効果が認められている認知行動療法です。私は心理支援の現場でこの治療法を実践すると同時に,「この治療法は心のどこに働きかけ,どこに変化をもたらしているのか」,「治療で良くなった後,なぜ再発することがあるのか」といったメカニズムを研究しています。

 心理支援の中で生まれた「治療法の効果がもっと長く続く方法はないだろうか」という疑問が,私の研究の出発点です。こうした研究は,安心して治療を始め,希望をもって治療を継続することを支えることにつながると考えています。心理支援の実践と研究の両方を行うことが,よりよい社会への貢献につながっていると信じています。その道を一緒に歩める学生がいることも私の大きな励みになっています。写真は実験のために作った小道具です。何に使うかは講義でお話しています。お楽しみに。

中村 有里