投稿者: noritake

教職員コラム 「私のイチオシ心理学キーワード:アージ理論」則武 良英

私のイチオシキーワードは,戸田正直先生が提唱した「アージ理論」です。

 

 アージ理論では,「感情は,迅速な環境適応のために進化してきたもので,人の生存に有用である」ことが強調されています。例えば,アフリカ旅行中に,野生のライオンに突然遭遇したとします。「えっなんでライオンがいるの?」「どうすれば逃げられるかな」と考えを巡らせていたならば,その間にライオンに襲われてしまいます。一方で,ライオンの姿が見えた瞬間に強い恐怖を感じたならば,一目散に逃走行動を取ることができます。このように,「恐怖」という感情は適応的に働くことがあります。

 

 臨床心理学を勉強していると,恐怖,不安,悲しみを緩和するような支援や治療に関心を持ちます。しかし,まずは患者さんが抱えている感情が持つ意味,環境の中で機能している適応的側面にも着目することで,支援や治療にも生かすことができます。

 

 例えば,私は,テスト不安(俗に言うプレッシャー)を緩和する研究しています。しかし,「不安」は,「未来の脅威に対して準備や対処をするように促す」という適応的な役割がある感情です。そのため,不安を緩和しすぎると逆に勉強やスポーツのやる気が下がることもあるかもしれません。ただ,やはり不安が大きいと「自分の力が出しきれない」ということにもなります。

 

感情とうまく付き合いながら生きていくのは,なかなか難しいことですね。

そんなわけで,感情とうまく付き合う方法を誰でも学べるようなアニメを開発しました。

 

もしご関心がありましたら,ぜひこちらをご覧ください(宣伝)。

則武

 

2023年度最後の3月24日オープンキャンパス開催!

2024年3月24日(日)に2023年度最後のオープンキャンパスが開催されました!

今回も大変多くの高校生様,保護者様にお越しいただきまして,大盛況のオープンキャンパスとなりました!

 

今回のオープンキャンパスの目玉は,2024年度から始まる「早期卒業制度」と「体験型入試イベント」のお披露目でした。

保野先生の分かりやすい学科紹介にて,詳細が説明されました。

詳しくはこのHPの記事でも触れているので,ぜひチェックしてみてください。

 

ミニ講義は,澤原先生による「ヒトの”こころ”によりそう−精神医学と臨床心理学の重なるところ−」が開催されました。

精神科医と公認心理師の違いをわかりやすく解説していただいたり,人を治療する,癒すということの本質についてお話しいただきました。

 

今回は春休み期間中ということもあり,学生サポーターさんは少数精鋭でしたが,皆さん大活躍でご来場者様にたくさんのおもてなしをすることができました。学生サポーターさんの中には,この3月でご卒業されたOBさんもお手伝いにきてくださいました!実際の在学生とお話しできる機会があることで,高校生のみなさんに少しでも大学生活のギモンが解消されたら良いなと思います。

 

また次回のオープンキャンパスでも,おもてなしの準備をしてお待ちしております!

教職員コラム お題「今,熱中していること ver.2023」 則武 良英

 

近頃熱中していることは,もちろん心理学の研究活動ですが,それ以外だとカメラで自然の写真を撮ることです。僕は大自然や動物の写真を撮るのが好きなので,よく森の中に入っています。

 

この写真はお気に入りで幼鳥の写真です。この幼鳥はまだ空を飛ぶことはできませんが,大空へ飛び立つことへの希望に満ちているようです。親鳥との間のコミュニケーションなど見ていると,人間のように豊かな情緒があるように思えてしまいます。

 

これは,県内で撮影した野生のメジロの写真です。緑色がとても鮮やかな鳥ですが,身近にたくさん生息している野鳥です。このときは,ローズマリーの間を楽しそうに飛び回っていました。何が楽しいのだろうかと想像してみますが,鳥の気持ちは分かりません。

 

これは,高知県と愛媛県の境にある四国カルストの写真です。カルスト台地がまるで海外かのような雄大な景色を生み出しています。夕焼けはずっと眺めていたくなりますが,すぐに夜が来ます。

 

これは,写真を好きになるきっかけになった大学院時代の友人にとってもらった写真です。島根県隠岐島の赤壁です。日本海と切り立った崖,一面の草原とゴツゴツした岩,そこに深い霧がかかり,とても印象的です。

 

写真でもキャンプでも旅行でもなんでもいいので,何かを通して自然との接点を持つことはいいなぁと思います。最近は360度カメラを買って,新しい撮影にチャレンジしています。

則武良英

2023年3月オープンキャンパス開催!

先週の日曜日,3月26日に臨床心理学科のオープンキャンパスが開催されました!

 

今回は,武井先生が学科紹介をご担当くださり,学科の魅力を余すことなくご紹介くださいました。

 

ミニ講義は,哲学がご専門の林先生がご担当くださいました。

時事ネタを交えながら,哲学の視点から見た心理学の講義は,とても面白かったです。

 

オープンキャンパスサポーターの大学生の皆さんも参加してくださり,ご来場いただいた高校生の皆さんや保護者様に,たくさんのおもてなしをすることができました! 4年生が卒業したため1年生から3年生までのメンバーでしたが,早くも新しいチームワークを発揮してくださっております!次回のオープンキャンパスでもご活躍くださるので,とても頼りになる心強い存在です!

 

ご来場くださいました高校生と保護者の皆様,誠にありがとうございました。

次回はさらにパワーアップした臨床心理学科をお届けいたしますので,またどうぞお越しくださいませ。

12/2〜12/9 令和4年度 心理実習Ⅱ 報告会 が開催されました

学部4年生の実習科目「心理実習II」の実習報告会を12月2日,9日に行いました。

 実習報告会は,児童養護施設,児童精神科,児童発達支援センター,就労継続支援B型事業所,障害者支援施設,児童心理治療施設,総合病院,精神科病院等の多様な領域で行われた実習の学びを,履修生や来年度履修予定の学生全員で共有する機会です。報告後には,学生同士の質疑応答の時間が設けられております。発表者は,報告書の作成や教員との修正のやりとり,発表練習,当日の発表,質疑応答,実習先の先生からのご講評を通して,何度も実習の体験を振り返り,考察を深めている様子が見られました。特に,実習施設の指導者の先生方のご講評でのご助言により,さらに学びが深まりました。

 今年度もたくさんの施設,機関のご理解とご協力により,本実習を行うことが出来ました。ご多忙な業務の中,日程を調整し学生を受け入れ,ご指導くださった施設のみなさまに,この場を借りてあらためまして御礼申し上げます。

教職員コラム お題「私の研究テーマ」 則武 良英

こんにちは。則武 良英です。

今回は,心理学の中でもとても身近なテーマの一つである「プレッシャー」に関するお話をします。

ほとんどの人は,今まで生きてきて”プレッシャー”を感じたことがあるのではないでしょうか?プレッシャーを感じやすい場面としては,学校の期末試験,高校や大学の入試,就職試験などがあるでしょう。

このような大事な場面では,「失敗したくない」「失敗したらどうしよう」と少しネガティブな思考が浮かんできます。

プレッシャーに関する近年の研究では,「頭の中でネガティブ思考が増えることで,脳の”思考”を司る部分が阻害される」ことが明らかになっています (則武他, 2020)。

つまり,試験の問題を解くことに不要なネガティブ思考 (例: 失敗したらどうしよう) が増えることで,試験の問題を解くために必要な思考が邪魔されてしまうのです。したがって「ネガティブ思考のせいで集中できなくなる」ということが科学的に明らかになっているということです。

でも,安心してください。
「試験前に”あること”をすると,プレッシャーの影響を受けにくい」ということも科学的に明らかになっています。

それはとてもシンプルな方法で,試験などの直前に「プレッシャーを感じている”今”の自分の思考を,白紙に文字として書き出していく」ことで,ネガティブ思考を緩和することができることが明らかになっています (則武他, 2020; 2022)。

これは,筆記療法 (短期筆記開示法) と呼ばれる心理療法です。思考を文字として表出することで,感情のコントロール能力が一時的に向上するために,このような効果があるといわれています。

 

詳細は,以下のYouTubeでも公開しています。ぜひご参照ください。

 

(1) 日本心理学会公式YouTubeチャンネル

 日本心理学会様からの依頼で作成した動画です。

 プレッシャーのメカニズムと実際の実験について解説しています。

 

(2) 則武  良英 公式YouTubeチャンネル

 私の個人チャンネルです。役に立つ心理学の知識を随時公開中です。

 

【参考文献】

則武良英・武井祐子・寺崎正治・門田昌子・竹内いつ子・湯澤正通 (2020). ハイプレッシャー状況が引き起こすワーキングメモリ課題成績低下に対する短期筆記開示の効果 教育心理学研究, 68, 134-146.

則武良英・湯澤正通 (2022). 中学生のテスト不安と数学成績に対する短期構造化筆記の効果 教育心理学研究 70, 290-302.

則武 良英

2022/06/22 6月オープンキャンパス開催!

6月19日(日)オープンキャンパス!

頼もしい学生サポーターさんとともに、ご来場者のみなさまをお迎えしました。

今回も進藤学科長による学科紹介、本城助教によるスクールカウンセラーに関するミニ講義、

表現療法の体験コーナー、各種展示を準備しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

心理学の魅力を少しでも感じていただけたら嬉しいです。

7月のオープンキャンパスでは、6月とは違う体験コーナーも準備したいと思っています。

ご来場者の皆さま、オープンキャンパスに参加してくださり、ありがとうございました!

ぜひ7月も遊びにいらしてください。お待ちしています。