少し前に,「ねこ転送装置」っていう不思議な現象が話題になったのを知っていますか?床にガムテープで丸を描くだけで,猫がその中にすっと入っていくんだそうです。うちには猫がいないので試せていませんが,ただの床に引き寄せられるなんて,なんだかかわいくて不思議ですよね。もし猫がいたら,きっと何度でもやってみたくなるやつです。
でも,そのとき猫はどんな気持ちなんでしょう。安心しているのか,好奇心いっぱいなのか,それとも「また人間が変なことしとるな」とあきれながらも,目に見える輪っかには抗えずつい入ってしまうのか。諸説あるようですが,本当のところは猫にしかわからないですね。
この話は,実は心理学にも通じるものがあります。たとえば,自閉スペクトラム症の人への支援には「構造化」という手法が使われることがあります。これは,時間や空間の使い方を目に見える形で整理して,理解や活動を助けるための工夫です。絵や写真を用いたスケジュールや手順書など,学校や福祉の現場でもよく使われていますし,臨床心理学でも大切なキーワードのひとつです。
でも,視覚的な刺激にとても敏感な人の場合,それに強く引っ張られて,自分の意に沿わない行動が誘発されることもあります。つまり,よかれと思ってやった「構造化」が,知らないうちにその人にとっては「やらされている」ように感じられることもあるのです。構造化は,相手の思いや主体性を大切にする気持ち,すなわちあなたのやさしさで完成すると言えるでしょう。
構造化に限らず,心理学の知識や技術を使うときには,「これって本当にその人のためになっているのかな」と立ち止まって考えることが大切です。「かわいい〜♡」って言いながら猫サークルを量産してしまうノリで人の心に関わると,ちょっと危ないかもしれませんね。
心理学をしっかり学ぶということは,人の幸せについて考えることでもあります。心理学で相手の福利向上に資するのか,それとも悪魔に奉仕するのか──その違いは,使う人の人間性にかかっているのです。





















「大学体験型」イベントに参加されたみなさんも、たいへんお疲れさまでした。ぜひ秋の入試に生かしていただきたいです!



