教職員コラム 「私のイチオシ心理学キーワード:ギャング集団・チャム集団・ピア集団」 本城 瑞恵

 私の一押しキーワードは「ギャング集団・チャム集団・ピア集団」です。言葉の響きも好きですし,この内容も大変興味深いので,ぜひ今回紹介させてください。

 

 みなさんは,小学校のころ,中学校のころ,高校生のころ,どんなお友達とどんなふうに遊んでいましたか。これまでの研究の中で,実はその時々で,友人関係/仲間関係の形は変化しているということが分かっています。

 例えば小学校3~4年生ころになると,同性メンバーからなる凝集性の高い閉鎖的な少人数の仲間遊び集団を形成すると言われています。その集団の中では役割分担や独自のルールがあり,さらに大人の干渉から逃れようと秘密基地を作るなどの特徴がみられるのです!これは「ギャング集団」と呼ばれ,反社会的な行動が出現したり,トラブルが発生したりすることもありますが,集団遊びの中で社会的な知識や技能を身に着けていく場として,非常に重要な機能を持っています。

 中学生になると,もっと少人数の同性メンバーからなる「チャム集団」を形成します。ギャング集団が外見的な同一行動を重視するのに対して,チャム集団は「同じ趣味だね」「気が合うね」といった内面的な類似性を重視して密着するのが最大の特徴です!

 そして高校生以上になると,共通の趣味や関心の類似性だけでなく,自他の違いを認め合うようになる「ピア集団」へと変貌していきます。それまでの集団は同性メンバーで形成される場合が多いのに対し,このピア集団は男女混合グループ形成であることも珍しくありません。

 

 こうした友人関係/仲間関係について,皆さんはいかがでしょうか。「そういえばそうだったかもなー」と昔を懐かしみながら,この「ギャング・チャム・ピア」というキーワードを楽しんでいただけたら幸いです。

 本城 瑞恵