教職員コラム お題「私の地元を紹介します」 門田昌子

 この間,近所のスーパーマーケットで,マテ貝を見ました。「あ,マテ貝だ!」と驚き,嬉しくなって,迷うことなく夕飯のおかずにしました。


 私の地元には海があり,マテ貝の潮干狩りを楽しむことができます。とても小さかった頃,潮干狩りに連れて行ってもらい,夢中になった記憶があります。砂浜の砂を優しく掘ると,所々に小さな穴が見えるので,そこに塩を入れます。そうすると,マテ貝が,「にゅっ」と出てきます。それをすかさず掴んで引っこ抜く,この繰り返しです。砂を掘ったり,塩を入れたり,引っこ抜いたり,なかなか忙しいやり方です。ただただ集中し,楽しかったという思いが今も残っています。
 昨年,偶然,地元のマテ貝の潮干狩りのチラシを見て,何十年ぶりにマテ貝の潮干狩りに行きたいなあと思ったものの,日程が合わず,行くことができませんでした。今も,スーパーマーケットでの出合いでは冷めない,マテ貝への穏やかな熱が続いています。
 子どもの頃の印象的な体験を,大人になって再体験したくなる現象を心理学用語では何と言うのでしょうか。ひとの体験とは不思議なものですね。

   ↑ 地元ではワタリガニも獲れます。堂々としています。

門田昌子