教職員コラム お題「学生時代の思い出」 佐々木 新

 振り返ると思い出はいろいろありますが,本学大学院の修士課程に在籍していたころのことを記します。当時,本館棟7階の西側に修士課程の院生室がありました(たぶん)。

 1室がまるまる臨床心理学専攻の学生に割り当てられていて,M1とM2の計20名程度がその部屋を拠点に活動していました。その部屋から授業や実習,研究活動や課外活動(現場のアルバイトとか)に出かけては帰ってきて,一息入れたりみんなで話しをしたり,院生のたまり場になっていたように思います。そんなたまり場には教授の先生から助手の先生までよく足を運んでくださっていて,多くの先生方に見守られて院生生活を送っている実感がありました。

 そんな環境に身を置いて感じるようになったのは専攻内の内輪の雰囲気でした。志を同じくする同期,先輩(あるいは後輩),ときに先生方との時間と空間を2年間共有できたことはとても貴重な体験でした。このような体験の積み重ねは,学生時代はもとより,社会人となって以降も心理的な拠り所になっていたように思います。微力ながらも今もこの分野でどうにか仕事ができているのはそんな時代があったからこそではないかと振り返ります。

 学生時代,何を学ぶかも大切ですが,どのような環境でどのように学ぶかによっても育まれるものは変わってくるような気がします。私の学生時代はとても恵まれていました。

佐々木 新