教職員コラム お題「私の仕事」門田 昌子

 「今日,仕事は休み」「仕事に行ってきます」など,「仕事」という言葉を日常的に使っているものの,「私の」と形容された途端に,「仕事」とは何だろうか,何を書こうか,と頭を抱えてしまいました。

 

 日常的に「仕事」という言葉を使っている時はどうも,「報酬をもらってすること」を「仕事」と呼んでいるようです。でも,家事をする時も,なんとなく,それを「仕事」だと思っている気もします。

 

 こんな風に,単に「仕事」というと,いくつか思い浮かぶこともあるのですが,「私(・)の(・)仕事」となると,報酬をもらってすることも,家事も,「私の仕事?」とハテナマークが出てきます。きっと,「私の仕事」=「私だけにできる仕事」と,脳内で自動変換されているのだろうと思います。そんな仕事はないので,ここで何を書こうかと頭を抱えてしまったのですね。

 

 いろいろと考えを巡らせていると,「私だけにできる仕事」はないけれど,信頼を寄せている人たちが,「私に任せてくれる仕事」があることに気づきました。もちろん,その「仕事」だって,他の人に任せられるものです。偶然でも,任せてくれた,そのことを嬉しく思います。そう考えてみると,「私の仕事」とは,他の人との関係の中にあるのかもしれません。尊敬する人たちとの協同の中で生まれてくるもの,その中で幸運にも私ができたことを「私の仕事」とよばせてもらえたらいいなあと思っています。

 

門田 昌子