カテゴリー: 教職員コラム:今里 有紀子

私の好きな映画 〜グッド・ウィル・ハンティング / 旅立ち〜 今里有紀子

天才的な頭脳を持ちながら、過去のトラウマから心を閉ざして、周囲を威嚇・冷笑し防衛機制(自分の心を守る盾)を張り巡らせて生きる青年ウィルが、最愛の妻を亡くして傷ついた(喪失体験)心理学者ショーンと出会い、激しくぶつかり合いながら少しずつ心を開いていく不朽の名作です。
この映画、臨床心理学の視点から眺めると面白さが何倍にも跳ね上がります!!

当初、ウィルは、自身の心の傷み(「愛されない恐怖」)から外の世界を迫害的にとらえ、防衛(知性化,価値下げetc)を張り巡らしていました.そして、ショーンにも激しくテストをします。

 ここで、注目したいのが、ショーンが見せる「逆転移」の扱いです。ウィルの痛烈な言葉に、ショーンは動揺します(激昂すらします)が、そこから、ウィルの真の「傷み」(投影同一視)に触れ(体験し)ます。つい、そこで(映画では)、ショーンは自身の傷み(自己開示)を伝えてしまうのですが・・・。二人の生身の「傷み(トラウマ)」に触れながらも、ウィルの「傷み」を包容(「コンテイン」)しながら防衛を一枚ずつはがしていきます。

「It’s not your fault(君は悪くない)」が臨床心理学の本質を凝縮しています。「信頼関係(ラポール)」形成の要素の「受容」(人間理解の深さ)がいかに泥臭いものか、リアルを感じられるのではないでしょうか。生きた「臨床」へと昇華する瞬間をぜひ、目撃してみてください。

今里 有紀子

教職員コラム 「心理学って役に立つんじゃ!~メンタライゼーション~」 今里 有紀子


あなたが、このイラストの老人に遭遇したとしたら、どのように思い、声をかけるでしょうか?

「どうしたのだろう?」「道に迷ったのかな?」「困っているのかなぁ?」「お手伝いできることあるかしら?」・・・。この時の心のプロセスはきっと「どうしたのかな?」と心で思い、そして、老人の困った不安そうな表情や、また、きょろきょろと道を探している行動から、「道に迷っているのかもしれないな」と判断します。そうだとすればきっと困っているだろうから、「何かお手伝いできないかな」と声をかけたくなり、老人の気持ち(心理状態)を読もうとされたのではないでしょうか。
 あなたが瞬時に行ったこの工程のことをメンタライジング(mentalizing)といいます。

 メンタライジングとは「自分と他者の行動の背後にある心理状態(=思考、感情、願望、意図、信念など)を推測、創造、解釈するプロセス」で、「心で心をとらえること(holding mind in mind)」(Fonagy)です。*1回1回の行為を「メンタライジング」、メンタライジングできることやその過程を「メンタライゼーション」と呼ぶ。

 このメンタライジングの能力の基盤は、養育者―乳児の相互交流の中で育まれるといわれています。メンタライジングが適切に育っていると、対人関係や社会的関係の理解を助けてくれ、また感情の調整や、自己の感覚や探索する力を育むといわれています。

 そしてメンタライジング能力は、心理療法でTh(セラピスト)―Cl(クライエント)関係の中でも促進また強化することができ、臨床でも応用されています。ぜひ、「こころでこころをとらえる」ことについて一緒に学んでみませんか。 

今里 有紀子

教職員コラム 「私の好きな都道府県! 〜あなたも行ってみられぇ〜:広島県 鞆の浦」 今里 有紀子

 昨年より少しずつ県外にも足を延ばし、余暇をみつけてはドライブ散策を復活させて楽しんでいます。まだまだ知らない、景色や人、おいしいものがたくさんありそうです。

 中でもこの夏は、わりと近くにある(車で1時間半くらい)、坂本龍馬や宮崎駿家督も魅せられた広島県鞆の浦に散策にでかけました。

 鞆の浦は、とても美しい景色とノスタルジックな街並みで、私にはどこか懐かしさがあり、そして癒される感覚がありました。潮待ちの港として、古くは万葉の時代から、そして幕末には、坂本龍馬も滞在し、また、現代では宮崎駿監督もその原風景に魅せられて「崖の上のポニョ」の構想を練ったと言われています。今回私は、地元の気さくな方(「鞆の浦潮待ちガイド」)に、鞆の浦の歴史や文化を紐解きながらガイドをしていただき、その絶景を堪能しました。人も本当に親切で温かく、景色がまた昭和感あり、自身の幼少期にタイムスリップしたような、なんともいえない、癒しと懐かしさに包まれました。

 お食事も、新鮮な海鮮(特に鯛)に舌鼓!!瀬戸内海の幸を贅沢にいただけた至福のときでした。

 もし、何かこころを休め(癒し)にいかれたい方には、鞆の浦はおすすめです。

 ちなみに、立ち並んだ家の風景写真の中の、黄色の三角屋根の家は、そうすけの家(「崖の家のポニョ」)のモデルになったものだそうです(写真が下手で小さくてごめんなさい。探してみてください~)。

今里 有紀子

教職員コラム 「私のイチオシ心理学キーワード:受容と共感」 今里 有紀子

 かれこれ、数十年臨床心理の道に「身」を置いているのですが、いまだ「受容と共感(accept and empathy)」の体現は私には、とても難解で、訓練を続けているものになります。 臨床心理学においては、学派を問わず、中核的な臨床家の実践における基本姿勢・態度になるものだろうと思います。「聴く」ことの困難さを毎回感じながら、少しずつ耳を傾ける感覚を学んでいるところになります。

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教職員コラム お題「今,熱中していること ver.2022」 今里 有紀子

 私が今熱中していること…う~ん…何だろうっと逡巡しました。

 2020年にCOVID-19が流行し、日常生活の様式が一変し、それまでわりと私の熱中事は外に開放されるものばかりでしたが、ここ最近は妥協として内に、閉鎖されるような様態に変わってきたなぁ~とも感じられます。

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