教職員コラム お題「学生時代の思い出」 谷原弘之

 

大学時代は関東で過ごしました。6畳一間のアパートには風呂がなく、銭湯へ通っていました。いわゆる、かぐや姫の「神田川」の世界です。

 当時は中古車屋でのアルバイトが楽しく、陸運局へ車の名義変更に行ったり、オークション会場へ車を運んだりと、自分では買えない車を運転することが喜びでした。バイトは1人だったため、車の仕入れ値から販売価格まで教えてもらえ、世の中の経済を学ぶ機会にもなりました。とてもいい社長で、アルバイトなのに車を売るとボーナスが支給され、なぜか大学の先生が高級車を買ってくれたことがありました。ある正月に、実家へ帰るお金もないので一人で店を開けていると、お客がいっぱい来て、三が日の間に3台も車が売れ、けっこうなボーナスを手にしました。今から考えると、あのころはバブル景気の前兆だった気がします。

 大学3年の時、東京ディズニーランドが開園しました。同級生の何人かは大学を中退してオープニング・スタッフとして就職していきました。チケットをもらい何度か遊びに行きましたが、当時は“夢と魔法の王国”というキャッチフレーズで、どこか夢の世界がやってきたワクワク感がありました。

 大学時代を振り返ってみると、社会をいっぱい感じていた気がします。今、大学にいることで、それを継続しているなと思っています。

 谷原弘之