教職員コラム お題「今、熱中していること」益田芳樹

 「今、熱中していること」と言えば、より良い教育を準備しています、と言いたい処ですが、今は学生が夏休みなので、時間があれば庭いじりに熱中しています。今夏は特に猛暑でどなたかがこの欄で書かれていたように熱中症を絶えず気にしながらの熱中の日々です。

 「庭いじり」と言えば年寄りが夢中になるものと考えがちですが(実際、私も年寄りですが)、奥が深く楽しいもので若い人にもお薦めしたいです。里山散策などで野外の自然に触れると精神的に安らぎを覚えるものですが、その自然を身近に感じられる「庭」をめざしての庭いじりです。自然にといえば雑草等抜かず、剪定などもせずに放置しているのが自然、という考え方もあるでしょうが、そうなると単調な風景となり、狭い空間での面白い自然の構成は作ることができません。ですから庭いじりは雑草抜きから始まり、どんな木をどういった形でどこに、さらにどんな石をどこにと終りのない作業です。

 戦後すぐに生まれた私たちの年代の子供の頃は、ヒトによる開発がまだ少なく、強い農薬の影響も少ない田園風景のある環境に育ち、多くの動植物に触れ合ってきました。だからそういった自然が失われつつある今、昔を懐かしむ郷愁から庭いじりに熱中しているのかもしれません。

益田芳樹