挑戦と成長を期待して

 9月7日、AO入試後期日程の出願受付が始まります。

 受験には「合否」があります。無事に合格して喜びと安堵の気持ちで一杯の人もいれば、せっかく目指した試験に良い成果を発揮できず、残念な気持ちの人も出てきます

 教員としては、筆記試験やあるいは面接試験では、受験者のパフォーマンスを「冷静に」評価しなくてはいけません。時に思いますが、それは、その人の人生を左右するものでもあります。大きな責任を伴う判断です。

 でも、その一方で、受験をした人に対しては、その一人一人、すべての人に、良い成果を得てほしいと願う気持ちもあります。心理学におけるストレス研究で著名なリチャード・ラザルスは、体験する出来事や状況への認知的評価を重視したことで知られていますが、彼は「挑戦(challenge)」をその一つに挙げています。挑戦(challenge)とは、乗り越えるべき困難であると同時に、そこから得るものがあると考えられる状態です。高校の先生からは、「簡単に合格を決めてほしくない。卒業までの数ヵ月、一生懸命勉強することで、生徒は大きく伸びるから」といったお話しも、お聴きすることがあります。

 受験生の皆さん、あなたの挑戦と成長を期待しています。