教職員コラム お題「私が学生時代に大切にしたこと」武井祐子

TY2

 私が学生時代に大切にしたこと。大切にと意識していたわけではないのですが、興味をもったら、とにかく何でもやってみたということかもしれません。

 後先考えずに手をだしてしまうところもあったのですが、最後まで計画ができてなくても、先が見えてなくても、まず取り組んでみるという今の仕事への姿勢はそのころに身についたようにも思います。

 よく言われることですが、学生時代は自分で自由に使える時間がとても長い。縛られずに自分で考えて決めることができる時間があります。

 大学でも大学院でも心理学を専門に学びましたが、私は中学の頃から語学にとても興味をもっていて、いろいろなところで自由にどっぷりと語学につかる時間をもちました。外国の人と交流したり(コワイ者知らず)、留学もしました。大学の中でも語学の単位が取れた後も聴講で語学の講義に出て(変わり者)、先生の研究室にお邪魔して、語学担当の先生方のおしゃべりに入りこんだり(コワイ者知らず)、お勧めの本などを教えてもらったりしていました。しかし、不思議なものでのめり込んで学んで、頑張れば頑張るほど、私は向かない、ダメだなと気づくことが増えました。文法の構造や表現はとても魅力的なのですが、意味は分かるのだけどそれが日本語にならない日本語力のなさに愕然としたり、歴史的背景や文化が分からないからか、表現されている世界観やユーモアがしっくりこなかったり。

 子ども関係のボランティアやアルバイトも熱心にしました。いろいろな出会いがあり、経験も重ねたのですが、語学と同じで、身についていたと思っていた知識があまり役にたたなかったり、学びの浅さ、無力感を味わいました。ボランティアやアルバイトを通じて、子ども関係の専門職につきたいと思っていましたが、今の自分では全く役にたてないなとも強く感じました。

 考えてみると、いろいろなことに興味をもって、手を出すのだけれど、一定のレベルまでいくと、自分に足りないものやがんばらないといけないことにたくさん気づいてきたように思います。学生のころは時間もあり、エネルギーもあったので、もうちょっとやってみようとがんばることもできたように思います。

 少し年をとり、今はどうだろうかと思います。仕事以外で興味のあることはあるし、やってみたいこともあるのだけど、学生時代に比べると、とにかく何でもやってみるということは少なくなったように思います。時間がないのか、エネルギーがないのか・・・。

 もう少し年を重ねると、学生時代の時のようにやってみようと思うようになるのでしょうか。期待しつつ、しばらくは目の前にあることにしっかり取り組んでいこうと思います。

武井祐子