入学後、本当に実践力は身につくのか
臨床工学技士を目指す高校生や保護者の方にとって、大学選びで気になるのは、「入学後に本当に実践力が身につくのか」「医療現場に出る前に十分な練習ができるのか」という点ではないでしょうか。
川崎医療福祉大学臨床工学科では、知識を学ぶだけでなく、医療現場で求められる技術・判断力・チーム連携力を段階的に育てるため、学内実習に**Student Assistant制度(SA制度)**を導入しています。
これは、実習経験を積んだ4年生がStudent Assistantとして3年生の実習を支援する、本学科独自の実践的な教育の仕組みです。
なぜSA制度なのか
臨床工学技士の仕事は、医療機器を操作できればよいというものではありません。人工呼吸器、人工心肺装置、血液透析装置など、生命を支える機器を安全に扱うためには、
- 確かな知識
- 正確な手技
- 患者さんへの声かけ
- 異常時の対応
- チームで動く力
これらすべてが必要です。
本学科では、2年次から3年次にかけて、呼吸・循環・代謝の3領域を基礎から応用へと段階的に学び、学内実習で基本技術を身につけたうえで、臨床実習へ進む教育課程を整えています。
SA制度の特徴 ―― 「先輩が手伝う」だけではありません
Student Assistant制度の特徴は、単に「先輩が手伝う」ことではありません。
4年生は事前に実習内容を確認し、練習を重ね、実習マニュアルや評価表の作成にも関わります。実習中は、3年生に対して透析回路のプライミング、穿刺手技、透析導入作業、トラブル対応などを直接指導します。
一方で、教員はその指導内容を確認し、教育の質と安全性を担保します。つまり、学生同士の距離の近さと、教員による専門的な管理を両立した制度です。
事前学習動画の活用
とくに透析実習では、事前学習用の動画も活用しています。限定公開の動画によって、学生は実習前に手順を確認できます。
この動画の撮影や編集にもStudent Assistantが関わっており、ある年度の実習期間中の利用実績では、累計935回の視聴、平均再生時間11.3分という結果が記録されています(本学科調べ)。
実習室に来て初めて手技を知るのではなく、事前にイメージを持ったうえで練習に臨める点は、実技に不安を感じる学生にとって大きな支えになります。
「なんとなくできる」ではなく「安全に、根拠をもって、再現性高くできる」
実習では、目標や評価基準をあらかじめ明確にします。何ができれば合格なのか、どのような行動が安全上問題となるのかを事前に理解したうえで、学生は自己練習やグループ練習に取り組みます。
これは、医療現場で重要な「なんとなくできる」ではなく、「安全に、根拠をもって、再現性高くできる」力を育てるためです。
教える側にとっての学び
Student Assistant制度は、教わる3年生だけでなく、教える4年生にとっても大きな学びになります。
人に説明するためには、自分自身が手順や根拠を深く理解していなければなりません。さらに、後輩の状況を見ながら声をかける力、チーム全体を動かす力、相手に伝わるように説明する力も必要です。
これは将来、医療チームの一員として働くうえで欠かせない、リーダーシップやコミュニケーション能力の育成にもつながります。
学生からの評価
実習後の学生アンケートでは、
- 指導学生(SA)の指導が適切だったとする評価:約91%
- 透析実習全体の満足度:約96%
と、高い評価を得ています(いずれも実施年度の本学科調査結果)。
SA制度が学生にとって学びやすい環境づくりに役立っていることを示す結果です。
学びの連鎖 ―― 本学科の大きな強み
大学での学びは、教員から一方的に教わるだけではありません。
先輩の姿を見て、1年後の自分を具体的にイメージし、後輩に教えることで自分自身の理解を深める。その循環が、川崎医療福祉大学臨床工学科の実践教育を支えています。
臨床工学技士を目指すみなさんにとって大切なのは、国家試験に合格する力だけではありません。医療現場で患者さんの命を支えるために、確かな知識と技術を身につけ、自信をもって臨床に出ていくことです。
本学科では、Student Assistant制度を通じて、学生一人ひとりが「できるようになる」まで支え合いながら成長できる教育環境を整えています。
先輩が後輩を支え、後輩が次の先輩へと成長していく。この学びの連鎖こそ、本学科の大きな強みです。