医療福祉学科では、「高等学校教諭一種免許状(福祉)」、「特別支援学校(聴覚・知的)教諭一種免許状」の2つの教員免許状が取得できます。
医療福祉学科は、ソーシャルワーカーを養成する学科です。当然のことながら、本学科の学生は、ソーシャルワーカーに必要な知識や技能を修得していきます。したがって、本学科において教員免許状取得を希望する学生は、ソーシャルワーカーの視点をもったすなわち、物事の捉え方や考え方が教育学部とは異なる特別支援学校教諭を目指すことができます。このような視点を持った特別支援学校教諭を養成する大学は数少なく、「医療福祉」を専門とする大学だからこそ「社会福祉士」の国家資格を持ちながら学校現場で働くことができます。また、特別支援学校の障害種において、「聴覚障害」の教員免許状が取得できる大学は全国的にも珍しく、専門的な支援を学ぶことができます。
社会福祉士養成課程を持つ大学は、通信課程を含め241大学あります。そのうち、社会福祉士と高等学校教諭一種免許状(福祉)、特別支援学校教諭一種免許状を取得できる大学は、わずか13大学しかありません(2021年11月現在)。
社会福祉士の学びや実習を通して「支援者としての視点」を学び、教育実習を通して「指導者としての視点」を学びます。ソーシャルワークと教育の共通点・相違点を理解し、福祉・教育の両分野での活躍することが可能になります。また、福祉と教育を兼ね合わせた子どもへの支援や障害児への支援でも活躍することが期待できます!
健康体育学科では、「養護教諭」「特別支援学校教諭※1」の免許状以外にも、「中高保健体育教諭※2」、「高等学校教諭(保健)」を取得できます。
養護教諭は病気の早期発見や救急処置など、子どもたちが健康でありたいという願いを「守る」仕事、生涯をずっと健康で生きる力を「育てる」仕事、そして、子どもの健康を支援する関係者との連携を促進する「つなぐ」仕事をしています。日々の仕事の中に、子どもたちを生涯健康に導き、それが子どもたちの幸福な人生につながっているとしたら・・・、なんと「やりがい」のある仕事でしょう。
健康体育学科では、「医療福祉人」としての養護教諭、すなわち、子どもたちが大人になっても幸福に生きてゆくことを支援する「元気で温かい養護教諭」を育てたいと考えています。
養護教諭の専門性に基づいた職務内容と役割ついて理解し、学校においてヘルスプロモーションを推進するために必要な知識、技術、方法を習得し、学校現場で汎用できる実践的能力の育成を目指す科目です。養護活動の5つの職務の展開方法について具体的に学びます。また、子どもの現代的健康課題(不登校、性の問題行動などの10課題)に関する事例検討を通して養護教諭に必要な資質能力を培います。
保健管理の柱となる健康診断の実施計画を立案する演習です。法律に定められた検査・健診項目別に、時期、学年、人数、実施場所、学校行事や時間割を考慮して日程を立てなければなりません。自身の調整能力とその必要性を自覚できる学習時間です。
養護教諭の行う相談活動について学ぶ科目です。健康相談に関する理論では、テキストと養護教諭の出会う60の相談事例分析からアセスメント能力を培います。同時に子どもの思いを受容し共感できるようになるための「傾聴スキル」の演習を行います。
学校現場における体験的な実習科目です。
“からだで教える・からだを教える”をモットーにからだに関心をもてる教材づくりに取り組む。
養護教諭としての資質能力を確認する科目です。学習の中から得た職務の困難感とやりがいの記述データをKJ法に準じて図解化 →発表→共有します。養護教諭の困難には「職務の多様性」、「責任感」、「人間関係」があるものの、「子どもの成長をみることができる」、「学校中から頼られる」、「日々成長することができる」などの子どもから喜びを得られる仕事であることを再確認し、学びの軌跡の集大成として終えることができました。
特別支援教諭は、通常の教科領域に加え、自己肯定、自己効力感を味わえる「自立を保障する活動=自立活動」による学習場面を設定することにより、障害種に応じて「生きること・学ぶことが楽しい」を支える仕事を担います。
健康体育学科では、「医療福祉人」としての特別支援学校教諭、すなわち、ハンディを抱えながらも自分らしく、幸福に生きてゆくことを支援する先生を育てたいと考えています。子どもたちが教師との日々のかかわりの中で、「学ぶ楽しさを生きる力」に変え、将来に夢をもつことができたとしたら・・・、なんと「喜び」のある仕事でしょう。
みんなといっしょに、しっかりと体を動かそう!中学校勤務/特別支援学級担任:体育の指導場面
「肢体不自由」のある子どもの自立活動の内容には、歩行、筆記、姿勢の保持などの身体の動きや健康の維持・改善、身体部位の状態の理解と養護などの健康の保持などに関わる指導が含まれます。また、肢体不自由の他に知的障害など、他の障害を併せて有する子どももいます。そのため、一人一人の障害の状態等を考慮した時間割を編成します。この他、医療的ケアを必要とする子どもや病院で治療や機能訓練等必要とする児童生徒が多いため、医療との連携を大切にした教育を進めます。
指導に当たっては、一人一人の障害の状態に応じて適切な教材教具を用いるとともに、コンピュータ等の情報機器などを有効に活用して指導の効果を高めるようにしています。また、各教科や給食など様々な時間を通じて、通常学級との交流及び共同学習を行っています。知的障害を伴わない場合は、大学進学を目指した、進路指導も行います。
バランスをとって、この橋を渡ってみよう。特別支援学校勤務/中学部学年主任:自立活動の指導場面
「病弱・身体虚弱」のある子どもの自立活動の時間では、フィジカル面の健康維持とともに、病気に対する不安感や自信の喪失などに対するメンタル面の健康維持のための学習を行います。治療等で学習空白のある場合は、グループ学習や個別指導による授業を行ったり、病気との関係で長時間の学習が困難な子どもについては、学習時間を短くしたりするなどして柔軟に学習できるように配慮します。退院後も健康の維持・管理や、運動制限等のために、自宅等から通学し学習をする児童生徒もいます。そのため、「病弱・身体虚弱」のある子どもには、学習への不安、病気や治療への不安、生活規制等によるストレスなどを理解した上で、「学ぶ楽しさを生きる力に変える」教育的対応を行います。
すばらしい!自分の名前が書けました。特別支援学校勤務/小学部担任:国語の指導場面
支援学校教員のやりがいは、子どもたちの成長や喜びを身近に感じられることはもちろん、つまずきや困難さに寄り添えることです。1年間、子どもたちと一緒に学校生活を送る中で、いろいろな感情と向き合うことができました。つらい気持ちやつまずきの過程を知っているからこそ、日々の何気ない笑顔や、できた!の喜びを一緒になって感じることができています。何よりのやりがいであり、個性豊かな子どもたちと日々は、自分にとって大切な宝です。
養護実習で学んだこと
怪我や病気を見るだけではなく本当にたくさんの役割があることを3週間の中で学ぶことができました。しかし、どの役割にも共通してそこには「児童の存在」があり、養護教諭として児童のために何ができるのか、学校のために何ができるのかというものが柱にあります。常に学校や児童のことを考えて行うことが大切になると思いました。