クリニカルセクレタリーとは
クリニカルセクレタリーとは、診察室等の臨床現場で医師と一緒に働いて、医師の事務作業の補助はもとより、チーム医療の段取りマネジャーとして働く医療秘書のことです。
川崎医療福祉大学 医療秘書学科では
川崎医療福祉大学 医療秘書学科では、このような医療秘書へのニーズが高まったことから、特別教育プログラムを開発して、2014年から実践力を備えた人材育成を開始しました。
さらに、2017年4月から、すでに医療現場で働かれている社会人で、よりハイレベルな専門性を修得したいと考えていらっしゃる方に、働きながら学べるよう、職業実践力育成プログラムとして、開始しております。
プログラムの目的
医療現場の業務を効率化するために、医師の事務作業(電子カルテ入力、診断書作成等)を補助し、また、チーム医療におけるコミュニケーションを円滑にし、医療現場における業務の段取りをマネジメントできる人材(クリニカルセクレタリー)を育成します。
プログラムの内容
育成プログラムは、「医師の事務作業領域」と、「段取りマネジメント領域」から構成されています。
段取りマネジメント領域には、国際的プロジェクトマネジメント標準であるPMBOK(米国PMI管理・米国国家規格)から抽出し、医療用に体系づけ、分かりやすくしたものを採用しています。
医師を主とした実務家教員により、実践力を修得できるよう、123時間で行います。
プログラム概要
医師の事務作業領域 | 段取りマネジメント領域 |
1. 医療秘書概論 | 13. 病院組織 |
2. 法規・法令 | 14. 段取り |
3. 個人情報保護 | 15. ステークホルダー特定 |
4. 病院の各部門と医療内容 | 16. 段取りの計画を構成するための知識 |
5. 診療録と電子カルテ | 17. コミュニケーション・マネジメント計画 |
6. 医療文書の作成 | 18. リスク特定 |
7. 入院診療計画書 | 19. リスク対応計画・患者安全 |
8. 手術・検査説明 | 20. 臨床指標(医療の質マネジメント) |
9. 退院時 | 21. 医業経営指標 |
10. がん登録 | |
11. 対人コミュニケーション | |
12. 患者の権利 |
修了要件
各講義についての試験、またはレポートを提出していただいて、評価を行います。
修了者には
履修者には、文部科学大臣認定の本プログラム「履修証明書」を授与します。この履修証明書は、クリニカルセクレタリー認定試験受験資格になります。
2020年度のクリニカルセクレタリー認定試験は、年度のクリニカルセクレタリー認定試験は、 2020 年 10 月 4 日 (日) 、 2021 年 3 月6 日( 土)に実施されます。
【クリニカルセクレタリー履修修了認定ポリシー】
本学科では、先に述べたプログラムの目的を達成するために、受講生が本学科での教育と学習を通じて次の能力を修得することを、履修修了認定の方針(認定ポリシー)としています。
- クリニカルセクレタリーに求められる医学・医療の知識を修得し、医師の事務業務を一手に引き受けることができる。
- 医療現場や地域連携医療におけるチーム医療の段取りをマネジメントする知識と技能を修得し、かつ実践できる。
- クリニカルセクレタリーとして機密保持とプライバシー保護の意識を持ち、品位と責任をもって利他的に行動できる。
【クリニカルセクレタリー育成課程ポリシー】
本学科では、先に述べたプログラムの目的と履修修了認定の方針(認定ポリシー)を実現するために、次のような育成課程の方針(課程ポリシー)に基づき、プログラムを編成しています。
クリニカルセクレタリー育成課程は「医師の事務作業領域」と、「段取りマネジメント領域」から構成する。
医師の事務作業を補助するために、「1.医療秘書概論」や「2. 法規・法令」等により基礎的な臨床現場で必要な規範や倫理に関する知識を修得し、「5.診療録と電子カルテ」や「6.医療文書の作成」等において、実践力を修得させる。次に、段取りマネジメント知識・技能の修得のために「14.段取り」や「15.ステークホルダー特定」、「16.段取りの計画を構成するための知識」、「17.コミュニケーション・マネジメント計画」等を、国際標準プロジェクトマネジメント手法を用いて、座学とチーム実習を行うことにより修得させる。
さらに、臨床現場で経営管理知識をもって業務を実践できるように、「20.臨床指標」や「21.医業経営指標」等により医療経営管理の知識を修得させる。
【クリニカルセクレタリー履修者募集ポリシー】
本学科では、先に述べたプログラムの課程を履修していただくのにふさわしい人(履修者ポリシー)として、以下の社会人の履修者を求めています。
医師の事務業務を一手に引き受け、さらにチーム医療の段取りマネジャーとしての知識・技術・実践力の修得を目指す社会人で下記の要件に該当する者。
高卒・・・医療現場での実務経験年数5年以上の者
短大・専門学校卒・・・医療現場での実務経験年数3年以上の者
大卒・・・医療現場での実務経験年数1年以上の者
(最終更新 2020/01/27)