5月21日（土）に「高齢者へのスピリチュアルケア」というテーマで、第1回公開講座を開催しました。今回は医療福祉学科の岡本宣雄講師が担当され、地域の方々96名が参加してくださいました。

WHOによる健康の定義（改正案,1998）は「健康とは完全な肉体的、精神的、スピリチュアル及び社会的福祉のダイナミックな状態にあり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」とあります。しかし、高齢期は身体的痛み、心理的痛み、経済的な問題などの社会的痛みに加え、自己存在に関する問題や、なぜ私が病気にならなければならないのかといった病気を有する意味の問題、死への恐怖といったスピリチュアルな痛みに直面しやすくなります。

そのような痛みとどう向き合うかを考えたとき、「いかによりよく生きるか」というその人のQOL（生活・人生・生命の質）を高めるためのケアとしてスピリチュアルケアがあることを、具体的な事例を挙げながら説明されました。神妙な面持ちで皆さん聴講されていましたが、途中、体操などもまじえ、内容の濃い講座になりました。参加者からは、「これからの人生を大切に生きていきたい」、「生きる意味、人生の質を考え、親の介護に向き合える材料になった」、「年齢的に自分の死について具体的に考え、準備の機会を与えられたように思った」などの感想が寄せられました。

今年度は年間テーマを「見つめてみようMy Life」と定めています。次回は6月18日・25日・7月2日（土）に第2回公開講座「大学で体験！動いて、作って、癒されて」〔全3話〕を予定しております。今年度も本学の専門知識を生かした情報の発信を行い、地域の方々に喜んでいただける活動を続けていきますので、どうぞご期待ください。