川崎医療福祉大学創立30年記念誌
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9期生(平成24年度卒業) 田中里奈 入学当初、“医療福祉デザイン”が、人生でどう役立つのか漠然とした不安がありました。いざ学んでみると、デザインはもちろん、医療の学科でなければ触れることのできない実習や講義、見学もさせていただきました。 中でも解剖デッサンが印象に残っています。受講前は不安と恐怖がありました。しかし、リハビリテーション学科の友人に「献体として承諾してくれたご家族や、ご本人の気持ちを考えてあげて。とてもありがたいことだから感謝の気持ちで接すると怖くないよ」と言われ、はっとし、落ち着いて授業を終えることができました。初めて「医療者」の目線を感じた時だと思います。貴重な経験、友達の支え、先生方から多くの知識を学びました。卒後も関係が続いていることに感謝と誇りを感じています。 学ばせていただいたことは、今の病院広報という仕事で活きています。必要なところにかたちを届けることができます。直接患者さんに接することは稀ですが、医療従事者を支えることでチームに貢献できていると感じます。今後もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。85災害対応ピクトグラム(学内での検証の様子)学科長・卒業生からのメッセージ医療福祉デザイン学科 学生・教職員集合写真(2020年9月)認定医療デザイナー(認定証授与式)「二十歳となった医療福祉デザイン学科」学科長 平野聖 2020年4月、医療福祉デザイン学科は二十歳となりました。これまでに所属学部や学科名の変更、カリキュラムの改正等、本学科は時代のニーズに合わせ変身を繰り返しています。我々としては、これを進化と捉えたいところですが、いかがでしょう?ただし、「世のため、人のため」を是とするデザインポリシーは開設以来不変です。近年、天災や疫病等、人類を脅かす事象に事欠かない不安な日々が続きます。そんな最さ中なかにあって、卒業生が本学科で学んだプライドを胸に、日々デザインで社会貢献に邁進している姿を目の当たりにすると、ああ良い人材を世に送り出せた、良い仕事をした、本学科も一人前と認められるようになったかなと我々も思いを新たにしているこの頃です。「感謝のこころを持って」

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