川崎医療福祉大学創立30年記念誌
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学科長 進藤 貴子 開学時6学科の一つが臨床心理学科です。今や全国でしばしば目にする「医療福祉大学」「臨床心理学科」、どちらも本邦で初めて標榜したのが本学ならびに本学科でした。以来30年、学科の卒業生は約2,000人です。国家資格がない学科という、本学の中では少数派の学科であり、自由で選択的な学びができることも特色の一つでした。基礎心理学と臨床心理学を統合的に学んだ卒業生は、家庭にあっては良い父、良い母となり、社会にあっては、官公庁、企業、NPO、医療機関、福祉施設、研究機関をはじめ、幅広い分野で、現場最前線から管理的立場まで社会貢献をしています。臨床・研究歴10年、20年と経験を重ねて指導的役割を担っている卒業生の存在感も大きくなっています。公認心理師という国家資格ができ、必修科目がぐんと増えた新しい臨床心理学科ですが、2,000人の仲間が認めてくれる良さを引き継ぎたいものです。学科長・卒業生からのメッセージ25臨床心理学演習心理実習(川崎医科大学附属病院臨床心理センター)臨床心理学科 教職員・卒業生集合写真(2020年3月)「医福大にプロポーズしたからこその“今”」5期生(平成10年度卒業) 竹田 伸也 臨床心理学科に入学した当時、入学生として学内誌に寄稿依頼を受け、こんな文面で書き始めたのを、昨日のことのように思い出します。 〝医福大に入学して、一つだけ残念なことがある。それは、もう一度医福大にプロポーズ(入試を受けること)ができないことだ〟…何を気障なことをと赤面できるのは、当時と比べて幾分でも成長した証なのでしょう。あれからもう25年も経つのですね。僕は今、臨床心理学の研究者をしています。そして、福祉や行政など多くの専門家と協同して、「強靭で持続可能な相互扶助の仕組み作り」にチャレンジしています。医福大で学んだからこその今がある。大学から与えていただいた多くのものを、より良い社会に向けたチャレンジに力を尽くすことで報いたいと思っています。「2,000人の仲間」

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